第二新卒とは?ITエンジニアに求められる素質やスキル、転職成功の秘訣を解説
第二新卒とは、新卒で入社した会社から数年(1〜3年)で転職を希望する層のことを指します。
この記事では、第二新卒の人材がITエンジニアになるためのポイントや必要スキルをまとめました。
未経験からでも挑戦できるエンジニアの種類についても紹介していますので、未経験からの転職を考えている人は、ぜひチェックしてみてください。
そもそも第二新卒とは?
第二新卒とは、新卒で入社した会社から数年(1〜3年)で転職を希望する層のことを指します。
厚生労働省の「若年者雇用を取り巻く現状」での調査の際は、学校(高校・専門学校・短大・高専・大学・大学院)を卒業してから、おおむね3年以内の人材を第二新卒の定義としています。
近年では、第二新卒の採用に積極的な企業も増えています。なぜなら、第二新卒者は一度就業経験があることで、仕事の進め方やマナーを身につけており、新しい就業先への適応力があると期待が高まっているからです。
また、企業にとっては特定求職者雇用開発助成金制度などの助成金制度があります。これらの理由から、再度就職を目指す第二新卒にとって有利な環境が整っているといえます。
第二新卒でエンジニアに転職することは可能!
現在、IT人材は多くの企業において不足している状況です。そのため、第二新卒でエンジニアとして転職を希望した場合、ポテンシャルを見込まれた採用が多くなっています。
ここでは、第二新卒でエンジニアに転職しやすい3つのポイントを解説します。
順番に解説します。第二新卒枠での転職を目指す人は、IT人材として需要が高まっていると理解できるでしょう。
IT人材は8割強の企業で不足している
現在、多くのIT企業でIT人材の不足が問題となっています。
厚生労働省の「IT企業におけるIT人材の過不足の状況」によると、2020年度は81%の企業が「IT人材が不足している」と回答しました。
現代のビジネスでは、多くの業界でIT技術の活用が欠かせません。金融、物流、製造、観光など、あらゆる業界でIT化が進んでいます。
また、農業や漁業といった一次産業でのITの活用も注目されています。需要に対してIT人材の供給が追い付いていないの現状が、8割以上の企業でのIT人材不足につながっています。
このような状況のため、未経験者を採用しているエンジニア職が多数存在します。
エンジニアは未経験採用をしている職種が多数
エンジニア職は、実務経験を持たない人も積極的に採用が進められている職種です。そのため未経験者に対しても、エンジニア挑戦の門は開かれているといえます。
これは、エンジニアのスキルや知識が急速に進化しており、経験者のみを求めると人材確保が困難になるからです。そのため、第二新卒の人にとっては、未経験からでもエンジニア職に転職できる可能性が高まっています。
ポテンシャルを見込まれて採用されやすい
未経験からのエンジニア転職は難易度が高いイメージがあるかもしれません。
しかし、第二新卒の人材は年齢が強みとなり、ポテンシャルを見込まれて採用されやすい傾向があります。これは、若さによる柔軟性や新しい知識・スキルの習得能力があることが要因です。
第二新卒の人材は、一度就職した経験を持っており、社会人としての生活に慣れていることも期待されるポイントです。企業で勤務したことがある人は、今まで勤務してきた経験がエンジニアとしての転職においても武器になります。
第二新卒での転職を目指す場合は、これまでの経験を活かしつつ、自身のポテンシャルを最大限にアピールすることが重要です。
自己学習やスキルアップが求められる
前項では、第二新卒がエンジニアとして転職しやすい理由について解説しました。それと同時に主体的に自己学習とスキルアップに取り組む姿勢が求められることも忘れないようにしましょう。
エンジニア職は就業後、専門知識やプログラミングの経験が求められるため自己啓発や学習意欲が重要になってきます。
最近ではオンラインの学習ができるスクールや無料で学べるコースが増えています。それらを積極的に活用し、プログラミング言語や開発ツールの基礎を身につけましょう。
また、個人プロジェクトやオープンソースソフトウェアへの貢献など、実践的な経験を積んでいると転職時の評価が期待でき、企業での実務経験が無くても採用される可能性はあります。
個人で取り組んだプロジェクトや、紹介できる制作物があればポートフォリオにまとめましょう。ポートフォリオを企業側に提示することで、応募者のスキルを把握してもらえます。
加えて、第二新卒でのエンジニア挑戦は、業界の最新動向に注目して、自身のスキルセットを常に更新しておくことが必要です。プログラミングの世界では、常に新しい技術や考え方が誕生しています。
最新の技術を使えば、システム構築の効率化や高いセキュリティが期待できます。エンジニアとして働く意欲を企業にアピールするためには、常に新しい情報を取りにいく姿勢や、主体的に学習すること、成長意欲があることが強みとなります。
未経験から挑戦できるエンジニアの種類
未経験から挑戦できるエンジニアの種類を7つピックアップしました。未経験の第二新卒が活躍できる職種ばかりです。
経験を積めば、テクニカルディレクターやプロジェクトマネージャーといった上位職が目指せます。
第二新卒でも挑戦できるエンジニアについて、順番に見ていきましょう。
Webエンジニア
Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの設計、開発、運用などを担当します。具体的な仕事内容としては、フロントエンド開発(HTML、CSS、JavaScriptを使用)、バックエンド開発(Python、PHPなどを使用)、ウェブデザイン、データベースの管理などがあります。
Webエンジニアとして習得すべきプログラミング言語としては、HTML、CSS、JavaScriptが必要です。また、バックエンド開発ではPythonやPHP、Rubyなどを学ぶことが求められます。
Webエンジニアは、新規のWebサイトやアプリケーションの開発、既存サイトの改善や機能追加、ユーザーエクスペリエンスの向上など、様々なプロジェクトに携わる機会があります。担当領域としては、フロントエンド開発、バックエンド開発、ウェブデザイン、データベース管理などです。
多くの担当領域がある中で、とくにフロントエンド領域であれば未経験者が挑戦しやすいでしょう。フロントエンドの領域では、基本的なプログラミング言語やフレームワークの習得、ウェブ技術の理解、ユーザビリティやデザインの考え方など、幅広い知識とスキルの習得が求められます。
Webエンジニアに向いている人の特徴は、クリエイティブな要素があって、トレンドに敏感な人です。デザインに関連した業務が多いため、新しい表現方法に興味がある人も向いています。
テストエンジニア
テストエンジニアは、ソフトウェアやシステムのテスト計画やテストケースの作成、実施、不具合報告などを担当します。プロジェクトによっては、協力会社との連携や顧客とのコミュニケーションも発生するでしょう。
この職種は、計画を立てたり、トラブルに対する洞察力があったり、チームでのコミュニケーションを得意とする人が向いています。問題や課題に対してチーム全体を巻き込んで解決に取り組めるような人材は、未経験であっても重宝されます。
テストエンジニアは、プログラムの全体像を把握したうえでテストをする必要があります。プロジェクト全体のクオリティに大きく貢献できる重要なポジションです。
そのため、テストエンジニアとして経験を積めば、エンジニアとしてのキャリアで貴重な財産となります。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、コンピュータネットワークの設計、構築、運用、保守などを担当するエンジニアです。仕事内容としては、ネットワークの設計と構築、ネットワーク機器の管理、セキュリティ対策、トラブルシューティングなどがあります。
具体的なプロジェクトとしては、オフィス内のLAN構築やサーバールームのネットワーク設計、セキュリティ対策の強化などがメインになります。
ネットワークエンジニアは、未経験者にとってチャレンジしやすい職種です。ただし、ネットワークの基礎知識や通信プロトコルの理解、ネットワーク機器の設定やトラブルシューティングなどの専門的なスキルが求められます。
エンジニア未経験の人が普段あまり耳にすることがないような技術を扱うポジションなので、自発的に知識をインプットする姿勢が必要になってきます。
ただ、今後クラウドの需要や、高速インターネットの需要は高まることが予想されます。社会的なニーズが高まるポジションのため、若いうちから経験を積んでおけば、今後、希少性の高い人材として活躍が可能です。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、サーバーの設計、構築、運用、保守などを担当します。具体的な仕事内容としては、サーバーのハードウェアやオペレーティングシステムの選定とインストール、セキュリティ対策などです。
サーバーエンジニアは、サーバーの基礎知識やオペレーティングシステムの理解、セキュリティ対策の知識やスキルが求められるため、未経験者にとっては比較的難易度が高めの職種です。
サーバーエンジニアが担当する領域は、日常生活では触れる機会が少ない領域です。ただし、未経験者でもサーバーエンジニアとしてキャリアをスタートさせることは可能です。サーバー関連の知識を身に着けたり資格取得をしたりして目指しましょう。
サーバーエンジニアは、大規模なシステムの設計や、クラウド環境の設計に興味がある人が向いています。また、サーバーに関する専門的な分野で経験を積んでみたい人は実務として経験を積めるためおすすめの職種です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに関する設計、対策、監視、改善などを担当します。具体的には、必要なセキュリティの企画・提案をした後、設計・実装、セキュリティ検査としてテストの実行を対応します。
近年、サイバー攻撃に関するニュースが増加しています。そのため、企業からセキュリティのプロを求められる傾向が強く、経験の有無がモノをいうケースもあります。
セキュリティエンジニアとして活躍するには、情報セキュリティに関する知識が必要であり、脆弱性への理解や攻撃手法についての理解が求められます。また、セキュリティインシデントへの迅速な対応能力やセキュリティテストの経験など、多くの経験が求められるのもセキュリティエンジニアの特徴です。
セキュリティエンジニアに向いているのは、企業が安全にITシステムを運営するための盾として技術を磨きたい人です。具体的には、情報漏洩リスクや機密情報の保護への理解がある人が向いています。また、システム脆弱性への対応や、サイバー攻撃の手法に詳しい場合も活躍が期待できます。
フィールドエンジニア
フィールドエンジニアは、客先で自社製品の設置、保守、トラブルシューティングなどを担当します。具体的な仕事内容としては、製品やシステムの導入、ユーザーサポート、トラブルの現地対応などがあります。特徴は、業務を行う場所がクライアント企業のオフィスやサーバー施設になる点です。
フィールドエンジニアは、未経験者でも挑戦しやすい職種です。基本的なネットワークの理解、トラブルシューティングのスキルが求められますが、多くの場合は自分の先輩や上司とともに客先に向かいます。
その場合は、一緒に働く人の仕事を見ながら、OJTのような形式で実務を学べるので、質問しやすい環境で業務を進められます。
この職種に向いているのは、柔軟な発想力を持った人です。現場では、想像していなかった状況が発生する場合があります。そのような状況下で、自分の経験やスキルを活かして顧客の課題を解決する能力が求められます。
また、コミュニケーション能力や顧客対応力が高い場合も、フィールドエンジニアとして活躍できる人材です。お客様との関係構築が得意な人は、所属企業の業績に貢献できる可能性が高いため、高く評価されるでしょう。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、企業のIT基盤(サーバー、ネットワーク、セキュリティなど)の設計、構築、運用、保守を担当するエンジニアです。具体的な仕事内容としては、企業の新しいサーバー環境の構築、クラウドサービスの導入、ネットワークの最適化などがあります。
担当領域は、企業の内部インフラやクラウド環境です。また、ハードウェアの導入、仮想化、運用監視、障害対応なども担当領域に含まれます。
インフラエンジニアは、サーバー管理、ネットワーク設定、クラウド導入、ストレージ管理など、担当領域が多岐に渡ります。担当範囲のイメージとしては、担当企業が事業を継続する上で必要なIT技術すべてです。
幅広い知識が求められるため、未経験からの挑戦は難しいように感じられますが、企業は未経験人材を積極的に採用しています。利用者が快適にシステムを使えるように、課題を解決したり改善点を提案したりと、問題解決能力が求められます。
プロジェクト全体を俯瞰して、システムの弱点や安定性向上を考える意識があれば、未経験でも活躍が期待できます。
ITインフラ系の資格として注目されているのは、以下の3つです。
資格名 | CCNA | LPIC | LinuC |
---|---|---|---|
技術領域 | ネットワーク | サーバーOS | サーバーOS |
認定機関 | シスコシステムズ | LPI日本支部 | LPI-Japan |
オンライン上で上記の資格に関する学習コースを提供しているサービスは様々あり、「テックハブラーニング」もその1つです。IT資格の取得に必要な基礎知識を学ぶことができます。
エンジニアを目指す未経験者の方や就業中で時間がない場合に、特に有益な学習コースです。無料体験もできるので、手軽に始めてみることが可能です。ぜひお試しください。
企業が応募者をチェックしているポイント
転職活動において、第二新卒の面接官が主に見ている点は以下の4つです。
4つのチェックポイントについて、順番に解説します。面接官がどんなポイントを重要視しているか理解して、自分の転職活動を有利に進めましょう。
人柄・社風との相性
企業は、応募者が社風や配属先チームで人間関係を築きやすいかどうかを重視します。面接では、企業の文化や社風に対応できるのか見極められるでしょう。
応募者の人柄やコミュニケーションスタイルが企業と相性が悪そうな場合、企業にとって魅力的な経験・能力があっても採用につながらない可能性があります。
応募の前に、まずはホームページや会社のパンフレットを読んで、自分の価値観が企業と合いそうかチェックしておきましょう。
前向きな気持ちや意欲、熱意の有無
第二新卒者が転職に対してどれだけ真剣に取り組んでいるかも面接時に見極められます。具体的なスキルや知識だけでなく、前向きな姿勢や熱意が重要です。
学習コースや勉強会など、積極的に行動を起こしている場合はアピールしましょう。自分自身の成長意欲や新しいことにチャレンジする意欲をアピールできれば、あなたの熱意が伝わります。
基本的なビジネススキルやコミュニケーション能力の有無
面接では、ビジネススキルやコミュニケーション能力を持っているかを見られています。第二新卒では特に、一般常識やビジネスシーンでの適切な社会人マナーが求められます。
良好な人間関係を築き、円滑なコミュニケーションを図る能力は、職場での協力や協調性を高めるためには欠かせません。他部署との連携やチームプロジェクトにおいて、社会人マナーやコミュニケーション能力を持つ人材は、組織内での役割を果たし成果を上げられると期待されます。
将来のビジョン・目的意識の有無
将来のビジョンや目的意識を持っているかも見られています。
面接ではよく、〇年後の未来や今後のキャリアプランについて質問されます。自身のキャリアプランや成長に対する意識を明確にし、長期的な目標や希望を話せるようにしておきましょう。
企業側は、入社後に応募者の目的を実現できそうか、長期的に働くことを前提としているかを見ています。方向性が合わない企業に入社すると、モチベーションを維持することは困難です。
お互いのためにも、今後のキャリアプランについては正直に話すようにしましょう。
面接では、相手が理解しやすい言葉遣いや、適切なタイミングでのあいづち、相手の質問の意図を正しく理解するなど、意識する点が多いです。
その分、コミュニケーション能力をアピールできるタイミングも多いため、面接官との積極的なコミュニケーションを心掛けましょう。
第二新卒・未経験からエンジニア転職を成功させる方法
第二新卒・未経験からITエンジニアとしての転職を成功させるために、押さえるべきポイントをご紹介します。
エンジニアとしてのキャリアプランを立てよう
転職する際には、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを考えましょう。
エンジニアには多くのキャリアパスが存在しています。専門性の高いエンジニアやどんな分野もこなせるフルスタックエンジニア、ITコンサルタント、マネジメントポジションを目指すなど、様々にあります。
自分の興味や強みを考慮しながら、目標となるポジションや身に付けたいスキルを考えてみましょう。キャリアプランを立てることで、自分が経験したい仕事が見えてきて、転職の軸が明確になります
企業研究をしよう
エンジニアとして働く上で重要なのは、自分が志望する企業がどのような環境や文化を持っているかを知ることです。
エンジニアにとって快適な環境が整っているか、自分のキャリアを実現できそうか、事業に成長性はありそうか、などを調査しましょう。
企業研究の主な方法は、企業のウェブサイト、転職サイト上の採用情報、SNS上の社員の声などが参考になります。
社会人・エンジニアとしての基礎を固める
第二新卒で転職する場合、企業は基礎的なビジネスマナーを重視する傾向があります。
第二新卒は即戦力を求められることは少ないものの、社会人基礎力を持っていることが重要視されます。また、エンジニアとして転職する場合は、未経験であってもITの用語や簡単なコーディングなど、基礎的な知識が求められます。
ITの知識は、オンライン上でも学習できます。入社後の職場でスムーズに業務が始められるよう、エンジニアとして知っておくべき基礎知識は必ずインプットしておきましょう。
ITの知識に自信がないようでしたら、事前にオンラインスクールなどで基礎学習コースを受けておくと良いでしょう。
IT業界に特化した転職エージェントを利用する
転職エージェントの利用は、エンジニア転職において大きなメリットがあります。IT業界に特化した転職エージェントは、エンジニアとしてのキャリアプランを一緒に考えてくれます。
また、IT関連の職種における幅広い求人情報を保有しており、自身のキャリアプランや希望条件に合った求人を提案してもらえます。
転職エージェントは転職活動のパートナーとして利用でき、第二新卒枠で転職活動をする際の進め方をプロの目線でアドバイスしてくれます。IT業界に特化したエージェントを利用すれば、ITエンジニアとしての転職が有利に進められるでしょう。
ITエンジニアの転職活動において、知っておいてほしいのがテックハブが提供する「テックハブニュービー」です。
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